あなたは「読み手」を意識していますか?

文章を「読み手は誰か?」という視点で考えた際、大きく2種類に分かれます。

 

(文章の2つの種類)

 

・日記のような自分のために書く文章

 

・自分以外の人が読む文章

 

 

今回は後者(自分以外の人が読む文章)の文章術を扱っていきます。

 

 

自分以外の人が読む、つまり、読み手がいる場合、

基本的には読み手にわかるように書く必要があります。

ある業界の中だけで使われている専門用語や、流行語など、特定の人にしかわからないことに関しては、

説明が必要不可欠です。

どうすれば、書いた文章を、それを読む人にわからせることができるのでしょうか?

 

「誰がその文章を読むのか」を考えると、文章の方向性が決まるので、書きやすくなります。

例えば、小学生向けと大人向けでは文章の書き方が違ってきます。

 

小学生向け

 

テレビをみるときは、へやを明るくしてはなれてみてね。

 

大人向け

 

この作品は、照明などにより光の変化が激しい演出の部分があります。

ご鑑賞にあたりましては、部屋を明るくし、できるだけ画面から離れてください。

 

 

漢字を減らしたり、やさしい表現にした文章は、小学生にとって読みやすいです。

反対に、大人向けなのに、ひらがなが多すぎたり言葉を噛み砕きすぎると、冗長に感じられ、

読みにくくなります。

 

次からは、読み手を意識する際のポイントを3つご紹介します。

 

 

① ターゲットを「〇〇さん」に設定してみる

 

読み手がいる文章を書く際は、必ず読み手を想定します。

 

想定の仕方のひとつが、ターゲット(=読み手)をできるだけ詳しく設定すること。

詳しく設定すると、読者に伝わりやすい表現になっているかを確認できます。

 

たとえば、Zoomという会議システムを使って「紅茶の淹れ方のオンライン講座」を行うとします。

講座開催の告知をする場合、ターゲットが「Zoom」を使ったことがあるかどうかで告知の仕方は変わってきます。

ターゲットが、「Zoomもオンラインによる会議システムも知らない人」であればどうでしょうか。

告知分の確認をするときに、「オンライン会議」「Zoom」について、説明が入っているかどうかを確認する必要が出てきます。

 

 

「Zoomもオンラインによる会議システムも知らない人」に向けた告知分の例

 

[Zoom講演会] 紅茶の淹れ方のオンライン講座 開催案内

 

          下記の通り、講座を開催いたします。

          ご都合のよい方はぜひご参加ください。

 

          ■◯月✖️日 (日) 10:00~12:30

 

          講座開始の30分ほど前にZoomミーティングへの招待メールが届きます。

          届きましたら、URLをクリックし、ご参加ください。

 

          ■講師:山田〇〇

 

          ■お申し込みは下記URLからお願いします。

          URL:△△△

 

[Zoomによるオンライン講座について]

 

Zoomはパソコンやスマートフォンを使って、セミナーやミーティングをオンラインで開催するために開発されたアプリです。

今回のZoomのオンライン講座では、パソコンやスマートフォンを使って、家にいながら、リアルタイムで講座を受講することができます。

Zoomのアカウントがなくても参加は可能ですが、事前にZoomアカウントを取得することをおすすめします。

 

 ※Zoomについて詳しくは下記をご覧ください。

  URL:□□□□

 

 

② 読み手に合わせて表現を変える

 

表現は読み手の理解度によって変える必要があります。

 

たとえば、「人事」という言葉を説明する場合です。

 

社会経験のある大人に対して

 

企業やその他の団体、組織において、職員を採用したり、評価、異動、労働条件についての決定

に関する業務。

 

小学生に対して

 

会社や役所で、人の地位や役割に関すること。

 

 

③ 楽しく読んでもらう工夫をする

 

読み手を意識する上で、「わかりやすく書く」と同様に、「満足感を得てもらう」も大切です。

 

『人の心を動かす文章術』(草思社)の著者 樋口裕一さんは、本書で

 

「読み手に何らかのかたちでサービスをするのが文章を書く人の義務だと考える。

 (略)読み手に楽しく読んでもらう工夫はするべきだ。

 書き出しを工夫し、表現をいじり、内容もできるだけ読み手をひきつけるように配慮する必要がある」

 

と書いています。

 

 

文章を書くときには、自分本位に書きたいことだけを綴るのではなく、

「読み手の存在」を常に意識することが大切です。