不動産を売るには立地よりもキャッチコピーが重要!?

引っ越しをするときや、一人暮らしをする際に物件を不動産で探したりすると思います。

そのときに、物件の値段や駅との距離で決めるのが大半でしょうが、キャッチコピーも購買決定に関係しています。

家を売る際に使えるキャッチコピーのテクニックについて、解説していきます。

 

 

 

○不動産売却におけるキャッチコピーの重要性

 

不動産売却において、物件のキャッチコピーはとても重要です。

たとえ良い物件だとしても、キャッチコピーが悪ければ見てもらえません。

 

まずは、不動産売却においてキャッチコピーが重要と言える、次の4つの理由をお話しします。

 

・購入検討者は相場価格など分からない

 

・購入検討者はチラシを熟読しない

 

・紙チラシ以外の媒体にも派生する

 

・営業マンのセールストークにもなる

 

 

購入検討者は相場価格など分からない

 

不動産を購入しようとしている人は、ネットなどで物件を検索します。

そのため、なんとなくそのエリアの物件がいくらくらいなのかはわかると思いますが、相場はいくら?と

聞かれても正確には分からない方が多いです。

 

つまり、購入検討者はチラシに載っている物件価格だけ見ても、高い・安いの判断をするのが難しいということです。

そのため、その物件の特徴を表したキャッチコピーが重要になります。

 

もちろん、明らかに価格が安ければ目を引きますが、相場並みに売り出したときは、その物件が「どんな物件か?」によって価格の印象が変わってきます。

 

 

購入検討者はチラシを熟読しない

 

そもそもチラシは情報量が多くない媒体なので、熟読せずともパッと見るだけで終わります。

言い換えると、熟読するほどボリュームのある内容ではないということ。

 

そのため、「駅まで徒歩〇〇分」など、その物件の魅力がパッとみて分かるキャッチコピーが重要です。

 

 

紙チラシ以外の媒体にも派生する

 

中古の不動産売却のときには、まずマイソク(物件の概要、間取り図、地図などをまとめた資料の通称)を

作成します。

そして、そのマイソクを基に、ネット広告へと派生するのが通常の手順です。

 

つまり、マイソクで使ったキャッチコピーは、ネット広告などの他の広告媒体にも使うので、物件全体の集客に

大きな影響を与えるということです。

 

 

営業マンのセールストークにもなる

 

中古物件の営業マンは、たくさんの物件を抱えているため、物件1つ1つの理解度は決して高いとは言えません。

 

そのため、キャッチコピーで分かりやすくその物件を表現することで、営業マンにも自分にも物件の売りをアピールすることができます。

 

それが営業トークにもつながっていくので、成約率の上昇にもつながっていきます。

 

 

 

○キャッチコピーは売主も考えること

 

キャッチコピーは営業マン任せにせず、売主も一緒に考えなくてはいけません。

営業マンは不動産売却のプロではありますが、その物件の魅力は売主にしか分からないこともあるからです。

 

 

基本は営業マンが印象だけで決める

 

物件が高額だったり、エリアごとに複数物件を載せる広告だったりする場合などは広告代理店を通すこともありますが、大半は営業マンが制作します。

 

営業マンは複数の物件を担当しているので、1つの物件にかけられる時間と労力は決して多くはありません。

 

つまり、物件ごとのキャッチコピーも入念に調べているわけではなく、その物件の印象で決めていることが多いのが本音です。

 

そのため、駅距離だけのアピールだったり、広さだけのアピールだったりと短絡的なキャッチコピーになっている

ものも少なくはありません。

 

 

住んでみないと分からない魅力もある

 

前項の理由から、営業マンだけにキャッチコピーの制作を任せてはいけません。

 

そして、不動産は以下のように住んでみないと分からない魅力もあり、それは売主にしか分かりません。

 

・陽当たりや眺望

 

・駅や施設までのアプローチ

 

・共用施設の使い勝手

 

この点も、売主も営業マンも一緒にキャッチコピーを考えるべき理由です。

 

 

陽当たりや眺望

 

室内環境で購入者が重視すべきポイントである陽当たりや眺望は、実際に住んでみないとわかりません。

 

「南向き」とあっても、窓の大きさ、目の前の建物との距離、季節などによって室内に入る光は大きく変わるからです。

 

仮に、南向きだからといって「陽当たり良好」というようなキャッチコピーにして、実際は窓が小さく目の前の建物と距離が近いため、思ったよりも太陽光が入らないとします。

 

そうなると、「陽当たり良好」というキャッチコピーに惹かれた人は大きなギャップを感じ、検討をやめる可能性が高いです。

 

これは「眺望」にも同じことが言え、売主が協力すれば「キャッチコピーになるか?」という点以外に、

「キャッチコピーにすべきではない」という点も見極めることができます。

 

 

駅や施設までのアプローチ

 

例えば、「駅まで徒歩3分」というのはキャッチコピーになりやすい物件の魅力です。

また、「〇〇(大型商業施設)まで徒歩3分」というのも魅力的になります。

 

しかし、いくら駅や施設までの距離が近くても、アプローチが悪ければそれは魅力になりません。

逆に、駅から近く、さらに「信号がない」「大きな歩道がある」などであれば、「駅から近い」という価値は上がります。

 

 

共用施設の使い勝手

 

共用施設が豊富な物件などは、その使い勝手もキャッチコピーに利用できます。

マンション内のジムやバー、ブックラウンジなどがアピールポイントになります。

 

ホテルライクなマンションは人気があり、競合物件で共用施設が豊富な物件がない場合は効果的なキャッチコピーになります。

 

特別な共用施設がなくても、「駐車場100%設置」などもアピールポイントになります。

共用施設は競合物件と差別化しやすいので、アピールポイントがあれば必ず伝えましょう。

 

 

 

○不動産のキャッチコピーを考えるときの4つのコツ

 

続いて、実際にキャッチコピーを考える際についてのコツを解説していきます。

 

1. ターゲットを明確にイメージする

 

2. そのターゲットだけに刺さるコピーにする

 

3. 競合物件のキャッチコピーをチェック

 

4. 間取りが魅力の場合には間取り図に書き込む

 

 

① ターゲットを明確にイメージする

 

はじめに、その物件を購入するターゲットを明確にしましょう。

ターゲットを明確にするときは、広さと環境・都心までの距離が重要になります。

 

1K~1DKは独身、

1LDK~2DKはDINKS&プレファミリー、

2LDK以上はファミリー層がターゲットになるでしょう。

 

また、緑や公園が多かったりする住環境の良い物件と、住環境は良くないけれども都心に近い物件は同じファミリーでもターゲットが異なります。

 

 

② そのターゲットだけに刺さるコピーにする

 

例えば、住環境を優先するターゲットには、「〇〇公園まで徒歩3分 大きな歩道沿いで安心!」という

キャッチコピーは刺さるでしょうが、「マンション内のジムやバーが利用できる」は刺さらないでしょう。

 

単身であれば、公園ではなく共用施設が充実している方が刺さるかもしれません。

 

このように、ターゲットによって刺さるキャッチコピーが違うため、まずはターゲットの明確化が重要なのです。

 

 

③ 競合物件のキャッチコピーをチェックする

 

いくら自分の物件が「徒歩3分」と駅から近い物件でも、競合に「徒歩1分」の物件があればキャッチコピーの効果は弱くなります。

 

そのため、競合物件のキャッチコピーをチェックし、なるべくアピールポイントが被らないように作らなければいけません。

 

上記の例で言うと、「徒歩3分」だけアピールするのは弱いので、「陽当たり」や「間取り」も付け加えたキャッチコピーを作るなどの対策が必要です。

 

 

④ 間取りが魅力の場合には間取り図に書き込む

 

間取りに魅力がある場合は、文章だけでなく間取り図も書き込みましょう。

例えば、以下のようなイメージです。

 

・アウトポール(柱が室内に入っていない)であれば、部屋の各部分に○印

 

LDKが広いのであれば吹き出しに写真と共にアピール

 

・全面床暖房であれば、その部分だけ色を変える

 

間取りの場合は視覚的にわかりやすくした方が良いです。

 

 

 

○不動産のキャッチコピーの規定

 

不動産のキャッチコピーを作る際に、いくつかのルールが設けられています。

 

それは宅建業法の第32条に記載されている誇大広告に関してのこと。

 

1. 物件の所在

 

2. 物件の規模

 

3. 物件の形質

 

4. 環境の(現在・将来の)利用制限

 

5. 環境の(現在・将来の)環境

 

6. 環境の(現在・将来の)交通その他の利便

 

7. 金銭の代金・借賃等の対価の額、支払い方法

 

8. 金銭の代金・交換差金に関する金銭の貸借のあっせん

 

 

これら8つの項目を対象として、著しく事実に相違する表示と実際のものより著しく優良か有利であると

誤認させるような表示が禁止とされています。

 

誇大広告を行ってしまうと、宅建業法違反となり6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、

またはその両方が課せられます。

 

 

 

不動産のキャッチコピーはお客さんだけでなく、売主のことも考えて制作しましょう。

一見関連性のない2つに思えますが、よくみていくと深い関係性にあるので、きちんと考えて書きましょう。