文章を明確に 句読点8つのルール
文章を書くとき意外に注意していないモノ、それは「句読点」。
句読点とは句点、読点の2つを合わせた呼び方となっています。
句点は「。」(いわゆるマル)
読点は「、」(いわゆるテン)
マルは文の終わりにつけます。
文章を書いているときに、迷うのはテンの位置です。
テンには基本ルールがありますので、覚えて打つようにしましょう。
○句読点の役割
テンのルールに入る前に、句読点の役割を覚えておきましょう。
役割は主に2つ。
1つ目は、「文章の意味を明確にする」
2つ目は、「リズムを刻む」
○8つのルール
まず、例を見ていきましょう。
悪い例
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて感激した。
改善例1
生まれてはじめて、フランス料理のフルコースを食べて感激した。
悪い例だと、複数の意味に取れます。
・意味①
今までフランス料理のフルコースを食べたことはあるけど、「(今回)生まれてはじめて感激した」。
・意味②
「(今回)生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べた。そのことが感激だった」
意味①を表現したい場合は、改善例1のように「はじめて」の後ろにテンを打ちます。
意味②を表現したい場合は、下記のように打ちましょう。
改善例2
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて、感激した。
・誤解されない文章を書くためのテンのルール
ここから8つのルールについて解説していきます。
テンの打ち方には基本がありますので覚えておきましょう。
①文の切れ目に打つ
姉の家族が遊びに来たので、祖父は喜んだ。
②修飾する文章が長いとき、そのあとに打つ
昨夜は借りてきたビデオを遅くまで観ていたので、今朝は眠い。
③対等に語句を並べるときに打つ
家族も、友人も、同僚も、みんなが彼を心配していた。
④接続詞、逆接の助詞の後に打つ
今はいい天気だが、明日は大雨の予想だ。
⑤挿入された語句の前後や分節を区切るときに打つ
今日の会議のテーマは、先日お伝えしたように、来期の予算についてです。
⑥引用を示す「と」の前に打つ
歴史は繰り返される、と先生が言った
⑦感動詞や呼びかけの句のあとに打つ
ねぇ、私の話を聞いている?
⑧修飾する語とされる語の関係を明確にするために打つ
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて、感動しました。
ただし、上記の通りに打たなかったからといって、間違いではありません。
毎日新聞東京本社・客員編集委員の近藤勝重さんは『書くことが思いつかない人のための文章教室』(幻冬舎)の中で、「テンはすらすら読めて、意味もよくわかるように打たれていればそれでいいわけです」と書いています。
○リズムの良い場所、呼吸をする場所でテンを打つ
文章を書くのに慣れてきたら、リズム感や呼吸をする場所を意識して、テンを打つといいでしょう。
それでもテンを打つ位置に迷ったら、どうしたらいいの!?
そのヒントは、スクール東京の『悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)にあります。
「声に出して読み、
①『読点を打てば、読みやすくなるかどうか』
②『読点を打てば、誤解を招かなくなるかどうか』
を確かめる」
声に出すと、リズムもわかります。
テンに迷ったら、自分の文章を音読してみましょう。
句読点の打つ位置で意味が違っていき、読者に伝えたいことも変わっていきます。
普段意識していなかった方がいたら、今度から注意して打ってみてください。
きっと文章が劇的に変わると思います。