不安を武器にする
いくら良いコピーが書けたとしても、お客さんに見てもらえなければ効果を発揮しません。
当たり前ですが、商品を説明した文章を見てもらうことができなければ、その商品を購入してもらうことはできません。
そこで、お客さんの興味を惹きつける方法の一つとして「認知的不協和」があります。
今回は、認知的不協和を使ったお客さんの興味を惹きつける方法をお伝えしていきます。
○認知的不協和とは
以下はwikipedia参照。
認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、矛盾する認知の定義を変更したり、過小評価したり、自身の態度や行動を変更すると考えられている。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/認知的不協和)
つまり、人は自分の考えや行動に矛盾を感じると、不快感を覚え強いストレスに陥ります。
これが認知的不協和の状態。
その不安を解消するため、自分自身の考えや行動を変え、ストレスを軽減しようとすると言われています。
○認知的不協和の代表例
認知的不協和の代表例として挙げられるのが「喫煙者」です。
喫煙者には以下の2つの異なる認知が存在することになります。
①タバコを吸っている
②タバコを吸うと肺がんになりやすい
「タバコを吸っている」と「タバコを吸うと肺がんになりやすい」という認知は矛盾しますよね。
しかし、喫煙者はタバコを吸うと肺がんになりやすいことを知っていながら、吸っています。
このように、2つの矛盾した認知が同時に存在することを「認知的不協和」といいます。
「タバコを吸うと肺がんになりやすい」という事実を受け入れ、禁煙すればこの2つの認知は解消されます。
しかし、タバコには依存性があるため、止めるのは簡単ではありません。
よって、喫煙者はこの矛盾を解決するために、以下のような考えを導き出します。
・タバコを吸っても長生きしている人はたくさんいる
・タバコを吸うことでストレス発散になる 我慢する方が体に悪い
・肺がんよりも交通事故の死亡率の方が高い
このように、喫煙することを正当化するような考えを新たに導き出すことで、矛盾した認知からくる不快感を避け、ストレスを軽減しようとします。
○認知的不協和の解消方法
新たな考えを導き出すことについて「すっぱい葡萄の理論」と「甘いレモンの理論」という2つの理論が存在します。
すっぱい葡萄の理論
「すっぱい葡萄の理論」とは、新しい事実を受け入れられないため、対象物を「価値がない・自分に必要ない」と思うことで正当化し、不快感を解消する理論のこと。
この理論は、イソップ童話の「すっぱい葡萄」というお話に由来します。
お腹を空かせた狐がとぼとぼと歩いていると、ぶどうの木を見つけました。
狐は喜んで何度も跳び上がってぶどうを手に入れようとしましたが、ぶどうの木は高くて狐にはとても届きません。
とうとう諦めた狐は立ち去りざまに呟きました。
「へん、どうせあのぶどうはすっぱいに決まっている。最初から食べる気なんてなかったも
んね」
(https://dic.pixiv.net/a/すっぱい葡萄)
甘いレモンの理論
「甘いレモンの理論」とは、新しい事実を変更することができない状況で、対象物を「価値があるもの」と思うことで正当化し、不快感を解消する理論のこと。
こちらも「お金持ちになりたい」「でもなれない」という例でいくと、甘いレモンの理論の場合、「お金持ちじゃない自分の方が魅力的」「お金持ちじゃなくても十分に生きていける」というふうにお金持ちではないことの価値を上げることで認知的不協和を解消しています。
○認知的不協和はコピーライティングで活用できる
認知的不協和はコピーライティングで活用できます。
その方法をお伝えしていきますね。
認知的不協和をあえて作り出す
認知的不協和をコピーライティングで活用するには、あえて認知的不協和の状態を作り出すことが重要です。
認知的不協和は人に強いストレスを与え、人はそのストレスを軽減するために行動に移すからです。
コピーライティングで認知的不協和を作り出すことができれば、読者は興味を持ち、不快感を解消するために行動してくれることになります。
コピーライティングで認知的不協和を活用できるのは、次のようなものです。
・本のタイトル
・メールやメールマガジンの件名
・チラシや広告、ダイレクトメールの見出し
・ブログやコンテンツのタイトル
認知的不協和はさまざまな場面で活用できます。
認知的不協和をうまくコピーライティングに取り入れることで、読者の興味を引きつけ、続きが気になって仕方ない状態にさせることができます。
認知的不協和を使ったコピーライティングの例
次に、認知的不協和を使ったコピーライティングの例をご紹介します。
以下は実際に存在する認知的不協和を使用した本のタイトルです。
・長生きしたけりゃ、医者の言いなりになるな
・英語は絶対、勉強するな!
はじめに「長生きしたけりゃ、医者の言いなりになるな」ついてですが、体の不調を感じたらすぐに病院へ行き治したほうがいいと考える人がこのタイトルを見たとき、「なぜ長生きするには病院へ行かないほうがいいのか?」と疑問に思います。
次に、「英語は絶対、勉強するな!」ですが、「小、中、高校と義務教育としてやってきた英語を、なぜ勉強してはいけないのか?」という疑問を抱きます。
このように、自分の常識とは異なる事実が目の前に現れたもどかしい状態が認知的不協和です。
よって、読者はこの認知的不協和を解消するため、「本を開いて答えを探す」という行動をとるのです。
○認知的不協和を使ったタイトルの作り方とポイント
ここで、認知的不協和を使ったタイトルの作り方とポイントをご紹介します。
認知不協和を使ったタイトルを作るのに、以下のようなルールに当てはめると簡単に作れます。
「人々が持っている常識」+「接続詞」+「常識とは異なる新事実」
接続詞には、「~ながら、~したければ、~でも、~けど、~なら」というような言葉が入ります。
以下は認知的不協和を使ったタイトル例です。
・元気になりたければ早起きはするな
・週2日労働でも月収100万円
・寝ながらダイエット
・60歳でもプルプルお肌は手に入る
ポイント・・・「常識とは異なる新事実」の部分に、読者の常識とかけ離れた内容を入れること。
人々の常識と合っているようなタイトルでは読者は興味を持ってくれません。
例えば、以下のようなタイトルをご覧ください。
①東大に行くなら、毎日10時間勉強しなさい
②東大に行くなら、勉強するな
どちらのタイトルに興味が湧くでしょう?
誰もが②のタイトルに興味が湧きます。
常識的に考えると、「東大に行くためにはたくさん勉強しなければいけない」と誰もが思うからです。
よって、①の方は誰も見ようとはしないでしょう。
では、②はどうでしょうか?
「東大に行くなら、勉強するな」というのは、常識からかけ離れていますよね。
よって、読者は「一体どういうことだろう?」という疑問を抱き、気になって仕方なくなるため、続きを読みたいと思ってしまいます。
重要なのは、不協和の度合いが大きいほど、読者の気を引くことができるということ。
認知的不協和を使ったタイトルを考える際、ブログや広告の内容は、常識とは大きくかけ離れている要素はないかよくチェックしましょう。
認知的不協和とは「矛盾を解消したくなる人間心理」のこと。
認知的不協和を使うことで、あなたの書いたメールやブログ、広告は読者にとって読まずにはいられなくなるものとなります。
商品の売れ行きが悪い、ブログのアクセス数が伸びないとお困りの方は、認知的不協和を使ったタイトルにできないか検討してみてはいかがでしょうか?