要約力が大事なわけ
文章を書くときどうしてもうまくまとまらない、わかりやすく伝えられない。
あなたが抱えているその原因は「要約力が足りていない」せいかもしれません。
今回は「要するに何?」を解消していきます。
○「要約力のなさ」が招く問題
要約力は、話すときや書くときだけでなく、読解やコミュニケーションでも必要となってくるスキル。
要約力が足りないことで生じる問題を3つ説明していきます。
1 話が長くなり、結論が伝わらない
最初の問題点は、文章や話が長くてわかりにくくなること。
たとえば、気分や感情に任せたままになってしまうと、言いたいことがうまくまとまりません。
「この言い方だと印象が悪いかも・・・」と感情が先行すると、「念のため〇〇や××も付け加えておこう」な
どと考えるようになり、結果長くてわかりにくい文章になってしまいます。
また、『10秒でズバッと伝わる話し方』の著者・桐生稔氏は、話が長い人は物事を一から十まで全て話そうと
していると指摘しています。
2 文章の要点が読み取れない
要約力がないと、本や新聞などを読むのにも支障をきたします。
学習・教育アドバイザーの伊藤敏雄氏いわく、これらの文章は、詳しく説明するために複雑で長くなっているも
の。
その中から、補足的な部分を削り、重要な部分のみを読み取ることができないと、「要するにその文章には、何
が書かれているのか」を理解することができないと話されています。
3 コミュニケーションが噛み合わない
要約力のない人は、会話中に見当違いな受け答えをしがちだそうです。
その原因は、相手の話の論点を掴み取らないで返事をしてしまうから。
気になるワードだけを拾い、相手が求めていない返答をするため、会話が噛み合わなくなります。
「相手の話を要約する」=「話の論点を注意深く聞く」ことをしないと、相手に戸惑いを与えてしまいます。
「ちゃんと私の話を聞いてくれてるのかなぁ」と不信感も抱かせてしまいます。
○要約の最強文字数は「13文字」!
皆さんはYahoo!ニュースをよくみますか?
その中のトピックスの見出し、なんだか読みやすいと感じたことはございませんか?
実はあの見出しは、13文字以内で統一されています。
Yahoo!ニュースの見出しの特徴として、コピーライティングのテクニックに頼らず「要約」に徹しています。
13文字に要約することで、情報を最小限に圧縮しているのです。
この字数には研究による裏付けもあるそうで、京都大学大学院教授・下田宏氏によって人が目を動かさずに一度
に知覚できるのは9~13字であることがわかっています。
また、プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利氏いわく、プレゼン資料のタイトルや会議資料の重要事項は
13文字以内に収めるべきとのこと。
資料は「読ませるもの」ではなく「見せるもの」だと述べています。
13文字でまとめようとすると、余計なことや無駄な表現が入らないため、重要な情報を見極める技術が磨かれ
ます。
○「13文字要約」のコツ
情報を13文字に要約するには、いくつかコツがあります。
主語・述語は省く
要約した13文字の中に主語・述語は不要。
とりわけ会議資料は「要約→詳細」と言う流れで進むので、細かなことは「詳細」のところで説明すればOKで
す。
ひらがなを省く
「~のための」「~による」「~について」などのひらがなに加え、「~を」などの助詞は可能な限り省略する
と良いでしょう。
これらを省いても、きちんと意味は伝わるかを考えます。
例:顧客の減少を防止するために緊急会議を開催します (23文字)
↓
顧客減少防止の緊急会議開催 (13文字)
余計な修飾をしない
Yahoo!ニュースのトピックスの見出しに、修辞技法(文章やスピーチなどに豊かな表現を与えるための一連の技
法)や読者を釣るための文言などは使われていません。
事実を間違いなく伝えるために、誤解を招かない簡潔な表現に徹しましょう。
自分も小さい頃は文章を書く時は長くなりがちでした。
相手に何かを伝えたいとき、わかりやすく伝えられるところは直し、本当に伝わるのか考えてから直しましょう。