好奇心を誘うには「騒がせ」て「黙らせる」!?
前回ご紹介した「ピアノコピー」(https://ko-chansblog.hatenablog.com/entry/2021/06/15/214427)。
その「ピアノコピー」の法則について、もう一つの例と一緒にもう少し深く解説していきます。
○「動」と「静」の描き方
ピアノ
「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。 でも弾き始めると―!」
こちらは1920年代にジョンケープルズによって書かれた「ピアノコピー」。
当時売れに売れたコピーですが、これには法則があります。
文章の中で「動」と「静」を描き、読み手の好奇心を誘っているのです。
動「弾き始める前のザワザワする嘲笑」
静「弾き始めた後の息を飲む驚き」
「動」と「静」のギャップが大きければ大きいほど、好奇心をくすぐることができます。
ここからヒントを得て、模倣し、”自分ゴト”に取り込むことが必要です。
こちらはすでに検証済みの例文なので、法則を上手に取り入れれば、ゼロから考えるよりずっと近道となります。
ボクシング
「最新鋭戦闘機と旧式プロペラ戦闘機が戦う”喜劇(コメディ)”が始まった。
しかし、その喜劇が終わったとき、笑っているものは誰もいなかった」
かつて、アメリカでピアノコピーを例文として巧みにマネたボクシング記事のヘッドライン。
1991年4月19日に行われた「世代間の戦い(The Battle of the Ages)」と呼ばれた伝説の試合。
当時、28歳の統一王座ホリフィールド(最新鋭戦闘機)に挑んだ42歳のフォアマン(旧式プロペラ戦闘機)は、
年齢が離れ、実力差がありすぎる滑稽な試合とみなされていました。
しかし、予想を裏切りファイナルラウンドまで拮抗した好勝負に、誰もが感嘆。
その試合内容を端的にドラマチックに伝えています。
(ちなみに結果は、フォアマンの善戦であったが、12回戦判定でホリフィールドが辛勝)。
○読み手の好奇心を誘う法則
上記の記者は、おそらく全米で流行したケープルズのコピーの「韻」を踏んだのでしょう。
どのような「韻」かといいますと、ケープルズがピアノのコピーで使った「動」と「静」の「韻」です。
動 → 静
ケープルズの 私がピアノの前に座ると でも弾き始めるとー!
音楽講座 みんなが笑いました。
ボクシングの 最新戦闘機と旧式プロペラ戦闘機が しかし、その喜劇が終わった
ヘッドライン 戦う”喜劇(コメディ)”が始まった。 とき、笑っている者は誰もいなかった
優美なイメージの「ピアノ」を荒々しい「ボクシング」にマネるなんて、なかなか結びつきません。
しかし、それらの字面にとらわれてはいけません。
マネるべき重要なポイントは、
「『動』と『静』を描き、読み手の好奇心を誘う」
という法則!
このとき、単語を入れ替えるだけでOKです。
長く愛用され続けられたピアノコピーには、このようなテクニックがありました。
ピアノやボクシングだけでなく他のことにも代用できますので、好奇心をそそるようなコピーを書きたい時はぜひ活用してみてください!