あなたを守る キャッチコピーと法律の関係

キャッチコピーを書く際に、すでに他の人が考えたコピーを使う人はいません。

これは、頭の中で「他の人のを使っちゃいけない」と思っているからです。

ここで、キャッチコピーは法律でどこまで守られているのでしょうか?

トラブルを避けるためにも、法律の知識を身につけておきましょう。

 

 

 

○「著作権」と「商標登録」の違い

 

作者の権利を主張するとき「著作権」と「商標登録」という2つの言葉を耳にします。

両方とも混同されることが多いです。

この2つの違いについて解説していきます。

(以下https://sotobori-ip.com/column/tips03参照)

 

・権利発性の違い

 

著作権・・・著作物が完成した時点で著作者に発生する権利。

      登録手続きなどを行う必要なない。

      文章や絵画、音楽などの著作物を権利家するための費用は無料ということになる。

 

商標登録・・・特許庁へ商標登録出願を行った者に与えられる権利。

       商標を出願し、登録を受ける際に費用がかかる。

 

 

・権利行使の違い

 

著作権・・・自己の著作物を全く知らない相手に対しては権利を行使することができない。

      いくら似ている著作物でも、相手に「その存在を知らなかった」などと反論されるリスクがある。

 

商標登録・・・特許庁で正式に認められた権利であるため、無断で使用した者がその存在を知っていたかど

       うかに関係なく差し止め請求・損害賠償請求をすることができる。

 

 

・権利維持の違い

 

著作権・・・著作者が亡くなってから一定の期間が経過すれば、原則として誰でも自由に著作物を使用できる。

 

商標登録・・・商標登録の日から10年が経過すると権利が消滅するが、更新手続きを行うことで半永久的

       に権利を維持できる。

 

 

 

○キャッチコピーは法律で守られるのか

 

結論から言うと、キャッチコピーには著作権、商標登録がありません。

 

まず、著作権から。

キャッチコピーは「誰にでも通じるわかりやすい表現」という性質を持っているため、著作権が認められません。

 

例えば、自然の美しさを表現するために『きれいな空気、うつくしい緑』というキャッチコピーを作ったとします。

「きれい」「空気」「うつくしい」「緑」は、誰でも知っている単語であり、どれも自然の美しさを表しています。

 

言い換えると、偶然一致してしまう危険性もあります。

もしこのキャッチコピーに著作権を認めた場合、今後美しい自然を表現するとき、これらの言葉は使えなくなってしまいます。

 

著作権の目的は「文化の発展に寄与するもの」とされており、誰でも知っている単語の使用を禁止するのは、文化の発展を妨げているということになるのです。

 

 

続いて、商標登録について。

まず、商標登録されるためには「特許庁」による認定が必要です。

申請しても、特許庁に認められなければ商標登録はできません。

 

そして、キャッチコピーには商標登録ができない性質があります。

商標とは”商品の標識”であり、その商品がどんな目的と役割を持っているかを識別するためのものです。

しかし、キャッチコピーは宣伝のための文章であり、単体では商品が何であるかを一目で識別することはできません。

 

 

 

○トラブルを避けるには

 

では、キャッチコピーが偶然一致してしまったり、他の人に無断で真似されたりした場合、私たちは権利を主張することはできないのでしょうか?

重要なのは「そのキャッチコピーが本当にその商品の良さを伝えているか」を主張できるかどうかです。

もし不運にも他の誰かから偶然の一致を指摘された場合でも、本当にその商品のことを考えて書いたものであると説明できれば、疑いは晴れます。

 

また、先ほどキャッチコピーには商標登録できない性質があると説明しましたが、中には商標登録されている場合もあります。

 

①ロゴと組み合わさっているなどデザイン化されたキャッチコピー。

②長年使われたことによってそのフレーズが商品の説明として広く知られているキャッチコピー 

 

です。

 

②のパターンはすぐに実践することはできませんが、①のようにロゴマークなどでデザイン性を高くするという手も方法の一つです。

 

 

 

 

権利関係のトラブルというのは非常に厄介なものです。

これはコピーライターに限らず、他の職業でも言えることだと思います。

こうした問題に巻き込まれないためにもしっかりと知識を身につけておいた方がいいでしょう。